江西てるやすの歩み

平成27年に富山市議会議員に初当選してからこれまでの江西の活動報告をコラム形式で紹介していきます。

タグ:富山市議会議員

season2 第1話 線引き都市計画と学校統廃合

令和3年、富山市において、いよいよ小学校の統廃合が検討され、その再編原案が発表されました。

旧富山市においては、上地図の15校がその対象となりましたがその配置は地図の色塗りのないところ(市街化調整区域)に集中していることが分かります。

柳町小学校は、中心地で平成中期に行なわれた統合を回避した小学校であり、毛色が違いますが、それ以外の14校は線引き都市計画の市街化調整区域に集中していることが一目瞭然です。

一見市街化区域内にある岩瀬小学校と四方小学校は周辺広域が市街化調整区域であった影響が大きく、線引き都市計画の影響といっても差し支えないでしょう。

富山市では各小学校区の面積を把握していませんが、昭和の大合併で富山市となった、水橋、和合、呉羽はその経緯をそれぞれの合併記念誌に残しています。

それによると、水橋、和合は旧富山市の総面積のそれぞれ約1割、呉羽は2割の面積を有しています。再編原案通りにいけば、旧富山市の小学校は27校に統合される可能性がありますが、旧富山市の面積の約4割を占める、水橋、和合、呉羽に小学校がそれぞれ1校になることを考えると、明治5年から6年にかけて開校した小学校の地勢の一部が極端に衰えてしまったことがわかります。これは、今でも狭い範囲に8校が残る、中心地の平成の統廃合とは全く別の話です。

私は、令和4年6月議会において、「教育委員会が児童数の減少を教育的見地から看過できないと学校の再編を促すならば、活力都市創造部は、都市計画の観点から学校がここまで偏って無くなってしまうことが看過できず、都市計画を見直そうとは考えないのか」と活力都市創造部長に問いました。

教育委員会が再編を考えることと都市計画は別物との回答がなされましたが、傍聴者からはその答弁に無理があるとの理解が得られたものと考えています。

現在、学校再編については、要望があった地域の検討が優先的になされています。

 

第12話「軽自動車の納税証明書の発行」

第12話「軽自動車の納税証明書の発行」

車検を受ける際には、その車両の自動車税を納税していることが必須条件となります。県税となる普通自動車税の納税用紙は青い封筒に入って郵送されてきますが、市税になる軽自動車税は、はたしてどんな封筒に入っていたか思い出せないのは私だけでしょうか。普通自動車税の場合、領収書が無かったとしてもネットワークで繋がっているので特段問題はありませんが、軽自動車税の領収書が無い場合は、納税証明書を市役所で発行してもらう必要があります。

富山市で、納税証明書を発行する際には、「標識番号(ナンバー)」と「窓口に来た人と所有者(納税義務者)の氏名」「住所」が必要になります。その時に、納税義務者の住所を車検証から書き写した場合、それが住民票の住所と相違していると富山市役所では納税証明書が発行されないのです。そもそも、車検の際に必要なのは、その車両の自動車税が納付されているかどうかだけであり、納税義務者の個人情報は不要なので、車検を行う事業者の方から市役所の対応について何とかならないものかと相談を受けたことがありました。

不要な情報が正確かどうかで書類を発行できないのは、車検整備を行う事業者の時間的ロスを考えると、お役所仕事と言わざるを得ません。現に、住所等が一致しなくとも納税証明書を発行する自治体も多いのです。富山市の見解としては、納税義務者の住所が割り出される恐れがあるので、個人情報保護の観点からそのような対応になっているという話ですが、その理由を窓口に来た人に説明していないから行政に対する不満が募るのも当然と言えます。

このことについて、何とかならないものかと議会質問を行った結果、令和4年度からシステムを見直した上で改修し、不要な情報を記載しない形で納税証明書を発行する方向で検討するとの回答を得ることができました。この納税証明書の発行依頼は年間1万8千件もあるそうです。このシステム改修により、多くの経済的なロスが解消されることが期待できます。

第11話「放課後等デイサービスの拡充」

第11話「放課後等デイサービスの拡充」

就学している障がいを持った子どものために、生活能力向上のために必要な訓練や、社会との交流促進、その他必要な支援を行う「放課後等デイサービス」という福祉サービスがあります。昨今の少子化の流れに伴って、富山市の児童数も減少してきていますが、富山市の小中学校の特別支援学級とその児童数は増加してきています。そのため、その子どもたちを受け入れる「放課後等デイサービス」の施設数が足りず、保護者の方から何とかならないものかという声を聞くことが多くなりました。

そして、サービスを受給するためには受給者証が必要となり、これは1年ごとに更新されるのですが、更新日を過ぎても、受給者証の更新が完了しないという事態が発生していました。事業者が、行政に費用請求するまでの間に受給者証の発行さえできれば、行政と事業者の間の清算に支障がないから問題はないとのことですが、この発想は、受給者の気持ちを無視した横柄なものだと思います。受給資格があるかどうかを判定するために更新手続きをする以上、更新日までに新たな受給者証が手元になければ、受給者は不安で仕方ないはずです。また、更新手続きの際に、子どもを連れて窓口に行かねばならず、例えば多動性がある子だと、保護者の苦労はとても大きいのです。

このことについて、当局にその意義を確認したところ、「子どもの確認のため」という回答がありましたが、特段専門的な知識を持たない一般職員が担当することもあるはずで、それが正当な理由になるのかと私は疑念を抱きました。私は、これらの問題について令和2年3月議会において質問を行い、窓口対応については、ある程度柔軟な対応を示唆する発言を市長より頂きました。また今年度は、それらの事業所数、予算ともに以前の伸び率を上回る伸び方を見せています。

第10話「高齢者のための交通政策」

第10話「高齢者のための交通政策」

とある交通事故を起こした老人が、病院から退院した所をマスコミに取り囲まれながらやっと歩く姿を見て、加害者ではあるものの気の毒にさえ感じることがありました。事故によりひどくなったのかもしれませんが、その老人はもともと足が不自由だったそうです。この老人は、なぜ免許を返納しなかったのでしょうか。

今や色々な介助道具はありますが、体が衰えてもわずかな力で移動できる自動車は、高齢者にとってまさに最上の介助道具とも言え、中々手放せない物だということが事実としてあります。この富山において、もし自動車を手放したとすれば、移動するためには誰かの自動車に同乗させてもらうかタクシーしかありません。

富山市の法人企業としてのタクシーは、所定の乗場や営業所に車両を待機させています。タクシーに乗車する時、ワンメーター乗車は良い顔をされないのではないかと心配する人は多いと思いますが、タクシーの待機所から離れたエリアでワンメーター分乗車する場合はなおさらです。

富山市内のタクシー料金は、初乗り料金と迎車料金もほぼ同程度で千円以下です。そのため、タクシーの営業所から離れた場所に迎えに行って、その近隣までの乗車となると送迎のロスが大きく、乗車を嫌がられる場合が現実としてあります。法律により、乗車を拒否する行為は禁止されていますが、送迎に行けない理由は何とでも言えますし、そもそも運転手に嫌な顔をされては乗車していても乗り心地が悪いと思います。

「近所のかかりつけの病院に通院したい。」
「近所の居酒屋での会合に参加したい。」

このような生活の中の声に、当人が免許を返納したとしても応えられる富山市であるよう、まずは行政として業界団体にしっかりと取組むことを要請しておくべきだと思っています。

アメリカでの移動はウーバーのシステムを利用した白タクなしでは語れませんし、中国においても、アメリカと同様のディディという白タクが健全に稼働しています。こういった取組がない日本は後進国になるのではないかと心配になりますが、実は京都府の京丹後市ではこのウーバーを利用した白タクがすでに認可されていて、自家用車を利用した18人の市民ドライバーが、タクシー会社の見捨てたエリア内を走っているのです。

当然、現在富山で営業しているタクシー会社の存在は重要です。ただそれらを補完するものとして、高齢者が移動しやすくなる何らかの交通政策が必要なのではないでしょうか。

私は、それらの問題を提起するために、令和元年6月議会において質問を行いました。すぐに結果の出るような回答は得られませんでしたが、市長からは非公式で「可能性を探れば協力する」とのアドバイスをもらいました。

第9話「議会質問への取り組み」

第9話「議会質問への取り組み」

市議会議員には執行権がありません。執行権を持つ市長をトップとする行政のチェックを行うことが市議会議員に与えられた役割です。市長に対し問題を提起することで、自ら市民に約束した「未来の富山市づくり」に取り組むしかないと私は考えています。そのような考えから、問題提起の場である議会で、私は欠かさず一問一答の質問を行ってきました。

「一問一答形式の連続質問回数」が17回は単独一人、「議員質問に対する市長の答弁回数」が50回を超えているのは全議員の中で私だけです。そして私の質問が「どういった内容で、どんな理由で行うのか」、市民の皆様にわかりやすくご理解いただくために、議会傍聴ダイジェストを発行してきました。

ちなみに来る3月9日の議会でも2番手で質問をします。(10時50分から、11時くらいのスタートになると思います。)

私が、執行権を持たない市議会議員なのに、まるでミニ市長のようにスローガンを掲げるのみにとどまったり、議会質問であるにも関わらず、政策の確認やインタビューのような質問しかできなくなった時には、潔く引退しようと考えています。それ以前に、選挙においてご賛同いただける方が少なければそれまでの話ではありますが、今後も議会の場で責任を持った質問をし続けていく覚悟です。