第8話「慰霊碑・忠魂碑の管理」

戦没者を追悼する為に建立された慰霊碑、もしくは忠魂碑と呼ばれるものは全国で1万3千基以上あると言われていますが、戦後75年を迎えた今日、その管理が不良、もしくは不明であるという問題が全国的に発生しています。

平成26年度、国はこの問題について各自治体に調査を依頼しましたが、約半数が管理不調や管理状況不明で、富山県内においても、約3割が管理状況不明という調査結果が出ています。この調査結果について福祉保健部に確認したところ、富山市には51基の民間建立による忠魂碑があり、その内、碑の状況と管理状況ともに不良のものが2基あることがわかりました。そして、その内の1つは小学校のグランドにあったのです。私は、この小学校のグランドにある忠魂碑を視察してきましたが、大変立派な忠魂碑であり、おそらく適切な管理状態まで復元するには高額な予算が必要であると感じました。

国では、この民間で建立された忠魂碑の移設等事業費の補助施策を用意し、各自治体へ打診していますが、現在のところほとんど実績はありません。富山市においても、現時点ではその事業を施策化していません。「補助金額が少ないこと」、「そもそも忠魂碑を移設・管理しようとする主体が不明確(もしくは不在)」であることが原因となり、当事者として市役所に相談に来る人がいないのです。

私は、この問題の当事者そのものが明確でない上、今後ますます過去のことについて理解する人が減ってくることを危惧し、令和2年9月の議会でこの問題について質問をしました。このような問題についても、市議は率先して取り組んでいくべきと私は考えます。