店頭の米不足と米の価格

都会では店頭から米が消えたとのことですが、昨年の収量や、消費量、在庫量とも統計上は安定的なので、米が無くなったのは店頭からという話です。

少なくなった理由は、インバウンドの大量消費、地震を恐れての家庭の備蓄などが一つの要因ではあるようですが、もっと大きな理由は、米が不足してくるかもという人々の買いだめも大きいのではないかと思います。コロナ初期のマスク不足もそうですが、みんなが買いだめると、自分も買いだめるという連鎖行動は、主食であるからなおさらです。

安売り店の米流通の一つであった、いわゆるスポット買いも今は売り手が不在となっているようで、暫くは店頭の米は不足するのでしょう。

さて、国は米価の維持のため、国民に応分の負担を求めるとして、次年度以降の米の販売価格に、コストを算入した価格となるよう、全農を指導しているようです。その代わりに、農地の締め付けが強まり、転用や、耕作放棄に厳しく当たってくることが予想されます。

いずれにしても、政策がころころ変わり、結果農家が大損というようなことが起きないよう声を上げていきたいと思います。

農地に対する矛盾する行政の考え

それぞれ別の市民の方から、農地に対する異なる観点からの困りごとの相談を受け、行政に対するモヤモヤと、行政の権力、議員の役割について考えさらられています。

一つは、農地の開発についてです。市街化調整区域の農地において、クリニックを建てたいといった相談に対し、農政企画課の農振除外、農業委員会からの農地転用、建築指導課からの都市計画法をそれぞれクリアしなければなりません。

農振除外はざっくりと6つの条件をクリアする必要がありますが、そこに立地する適切な理由の証明は行政の主観が大きく反映します。申請する市民にとっては、判事の判決にも等しいものであり、受け入れざるを得ないことから、理由は明確にしなければなりません。

この理由が、担当官の個人的な考えが色濃いとたまったものではありません。それはおかしいだろうと指摘しても、考えの違いであることから、平行線です。それでも、おかしいと言えるのは、行政をチェックすることが仕事として与えられている議員だからこそできるものであり、その責任は重大です。

調整区域の農地は原則、開発してはならないという基本中の基本を盾に取られると、3種農地で、更には耕作が全くなされていない場合でも、そこにクリニックを建てたいという事情や背景が、その原則を覆えす理由にならないと主張されると、返す言葉が見当たらなくなってしまいます。

そんな中、別の市民の方から、耕作していない農地について、雑種地とみなし、固定資産税額を何の連絡もなく上げてきた、なんとかして欲しいという相談です。資産税課に確認すると、農地の定義は、耕作の有無であり、現況何も耕作されていないのだから、その登記にかかわらず、雑種地とみなすのだと、一歩も引きません。

その土地を雑種地とするには、農振除外と農地転用が必要となるが、資産税課は農政企画課や農業委員会に確認したのかと聞いても、自分たちの目で見た事実で足りると言うのです。

農振地区の農地は、そう簡単に転用することはできません。だから、クリニックを建てるのにも苦労しているのに、資産税課は容易く転用を見なしで、処理を進めています。

しかし、どちらも同じ市役所の行政です。相反する主張を都合よくつまむ。

これはいくらなんでもおかしいんじゃないか。それを主張する役割を与えられている私は、関わる4つの部署のトップと市長にこの問題を問わねばならないと思っています。

 

静岡県川勝知事の失言について

静岡県知事が失言をしたというニュース。そして、6月議会をもって知事を辞めると言ったとのこと。

知事を辞めることについては、この失言の責任をとってという意味ではなく、そう思いながら一連の発言をしたようです。

速報記事を読んだら、そんな経緯かと思ったのですが、どうやら発言を問題視した記者会見の場で辞任発言をしたようで、そうであれば、過去にも自分の発言について朝令暮改の実績がありますから、これもどうなるかはわかりません。

私は以前から、この知事のことを決してよくは知らないのですが、リニアに反対し続けるので嫌な知事だと思っていました。

さて、その発言は県庁の新入職員に対し、

『野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね」

と話したということですが、許せない発言ではあるものの、世の中はこの発言を批判できるのでしょうか。

実際、野菜を作ったり、牛の世話をしたり、ここでは触れられていないかもしれませんが、米を作ったりする従事者に対して、見合う報酬が取れないことを知りながら放置しているではないかと思うのです。

世の中、ダンマリ川勝、気づかぬ川勝ばかりではないでしょうか。

今後の農業展望、地域計画の違和感

持続可能な農業を目指す一環として、今後の農地を誰が担うかを決めていく地域計画についての説明会があり参加しました。参加した農家の皆さんはある意味、狐につままれたような感覚になったのではないかと思います。

背景に書いてある通り、法律で決定したこと。地域計画に移行しないと国の支援が受けられないことが分かりますが、目的は何か?何をどうするために誰が何をするのかが分かりにくく、違和感があります。

話を置き換えると、例えば、街なかの商店街のテナントがボロボロと出ていき、また、商売をやめようと思う人も増えてきて、空き店舗ばかりになってくるから、その建物の所有者をさておき、現在商売をしている人と、町内会を集めて何か計画して下さいというのと何ら変わりがありません。

時代が違えば、百姓一揆がおきてもおかしくないくらい、農家にとって屈辱的な話です。

江西さん、もっと頑張ってくれやと叱咤を受けましたが、仲間が少ないのが現状です。

同じように感じてくれる、自民党の仲間を増やしていかねばなりません。

線引き廃止の松江市視察

学校統廃合の偏りの原因であり、コメ価格の低迷の一因でさえあると考えている、線引き都市計画。富山県では富山市を中心に昭和46年に導入されています。当時は国からの強制施策でしたが、平成12年に、各自治体の判断によることになっています。しかしながら廃止した場合の影響を恐れてか、県庁所在地では高松市を除き、線引き廃止を実施する都市はありませんでした。

ところが、島根県松江市が今年の2月に廃止を表明しました。まだ未決定のことも多いのですが、その経緯や計画について調査研究をすべく、視察してきました。

線引き廃止という表現は使わない方針ということで、デリケートな部分があることを実感しました。

線引き廃止は、決して夢物語ではなく少しづつ実現していくのではないかと期待しています。実は、テーブルをご一緒した際の藤井市長の言葉なのでオフィシャルなものではないのですが、私がことあるごとに発言する線引き都市計画の廃止にまつわる想いについて、今後もどんどん行って欲しいと言われたのです。今年の6月のことです。

私は驚いて線引き廃止の検討をしていただけるのかと聞き返したところ、現時点では難しいが、私の発言は、ご自身の考えに大きな影響を与えているのだと気さくに話してくれました。

ここは松江市の中心地から5~6キロ離れた市街化調整区域です。現在調整区域のまま宅地造成が行われていますが、この辺りは線引き廃止後住宅化するのではないかとの予測を松江市当局が考えているところです。

近隣にはカントリーエレベーターもあるのどかなところですが、松江の中心地から決して遠くないところです。

富山からは遠い彼方の話ですが、注視していきたいと思います。