第11話「放課後等デイサービスの拡充」

就学している障がいを持った子どものために、生活能力向上のために必要な訓練や、社会との交流促進、その他必要な支援を行う「放課後等デイサービス」という福祉サービスがあります。昨今の少子化の流れに伴って、富山市の児童数も減少してきていますが、富山市の小中学校の特別支援学級とその児童数は増加してきています。そのため、その子どもたちを受け入れる「放課後等デイサービス」の施設数が足りず、保護者の方から何とかならないものかという声を聞くことが多くなりました。

そして、サービスを受給するためには受給者証が必要となり、これは1年ごとに更新されるのですが、更新日を過ぎても、受給者証の更新が完了しないという事態が発生していました。事業者が、行政に費用請求するまでの間に受給者証の発行さえできれば、行政と事業者の間の清算に支障がないから問題はないとのことですが、この発想は、受給者の気持ちを無視した横柄なものだと思います。受給資格があるかどうかを判定するために更新手続きをする以上、更新日までに新たな受給者証が手元になければ、受給者は不安で仕方ないはずです。また、更新手続きの際に、子どもを連れて窓口に行かねばならず、例えば多動性がある子だと、保護者の苦労はとても大きいのです。

このことについて、当局にその意義を確認したところ、「子どもの確認のため」という回答がありましたが、特段専門的な知識を持たない一般職員が担当することもあるはずで、それが正当な理由になるのかと私は疑念を抱きました。私は、これらの問題について令和2年3月議会において質問を行い、窓口対応については、ある程度柔軟な対応を示唆する発言を市長より頂きました。また今年度は、それらの事業所数、予算ともに以前の伸び率を上回る伸び方を見せています。

第10話「高齢者のための交通政策」

とある交通事故を起こした老人が、病院から退院した所をマスコミに取り囲まれながらやっと歩く姿を見て、加害者ではあるものの気の毒にさえ感じることがありました。事故によりひどくなったのかもしれませんが、その老人はもともと足が不自由だったそうです。この老人は、なぜ免許を返納しなかったのでしょうか。

今や色々な介助道具はありますが、体が衰えてもわずかな力で移動できる自動車は、高齢者にとってまさに最上の介助道具とも言え、中々手放せない物だということが事実としてあります。この富山において、もし自動車を手放したとすれば、移動するためには誰かの自動車に同乗させてもらうかタクシーしかありません。

富山市の法人企業としてのタクシーは、所定の乗場や営業所に車両を待機させています。タクシーに乗車する時、ワンメーター乗車は良い顔をされないのではないかと心配する人は多いと思いますが、タクシーの待機所から離れたエリアでワンメーター分乗車する場合はなおさらです。

富山市内のタクシー料金は、初乗り料金と迎車料金もほぼ同程度で千円以下です。そのため、タクシーの営業所から離れた場所に迎えに行って、その近隣までの乗車となると送迎のロスが大きく、乗車を嫌がられる場合が現実としてあります。法律により、乗車を拒否する行為は禁止されていますが、送迎に行けない理由は何とでも言えますし、そもそも運転手に嫌な顔をされては乗車していても乗り心地が悪いと思います。

「近所のかかりつけの病院に通院したい。」
「近所の居酒屋での会合に参加したい。」

このような生活の中の声に、当人が免許を返納したとしても応えられる富山市であるよう、まずは行政として業界団体にしっかりと取組むことを要請しておくべきだと思っています。

アメリカでの移動はウーバーのシステムを利用した白タクなしでは語れませんし、中国においても、アメリカと同様のディディという白タクが健全に稼働しています。こういった取組がない日本は後進国になるのではないかと心配になりますが、実は京都府の京丹後市ではこのウーバーを利用した白タクがすでに認可されていて、自家用車を利用した18人の市民ドライバーが、タクシー会社の見捨てたエリア内を走っているのです。

当然、現在富山で営業しているタクシー会社の存在は重要です。ただそれらを補完するものとして、高齢者が移動しやすくなる何らかの交通政策が必要なのではないでしょうか。

私は、それらの問題を提起するために、令和元年6月議会において質問を行いました。すぐに結果の出るような回答は得られませんでしたが、市長からは非公式で「可能性を探れば協力する」とのアドバイスをもらいました。

第9話「議会質問への取り組み」

市議会議員には執行権がありません。執行権を持つ市長をトップとする行政のチェックを行うことが市議会議員に与えられた役割です。市長に対し問題を提起することで、自ら市民に約束した「未来の富山市づくり」に取り組むしかないと私は考えています。そのような考えから、問題提起の場である議会で、私は欠かさず一問一答の質問を行ってきました。

「一問一答形式の連続質問回数」が17回は単独一人、「議員質問に対する市長の答弁回数」が50回を超えているのは全議員の中で私だけです。そして私の質問が「どういった内容で、どんな理由で行うのか」、市民の皆様にわかりやすくご理解いただくために、議会傍聴ダイジェストを発行してきました。

ちなみに来る3月9日の議会でも2番手で質問をします。(10時50分から、11時くらいのスタートになると思います。)

私が、執行権を持たない市議会議員なのに、まるでミニ市長のようにスローガンを掲げるのみにとどまったり、議会質問であるにも関わらず、政策の確認やインタビューのような質問しかできなくなった時には、潔く引退しようと考えています。それ以前に、選挙においてご賛同いただける方が少なければそれまでの話ではありますが、今後も議会の場で責任を持った質問をし続けていく覚悟です。